2017年1月29日日曜日

今年の目標を、今さら書いてみる。

普通は年頭一発目に書くものなのかもですが、、
ふと自分の中で整理してみたくなったので、
備忘録も兼ねてしたためます。
(気分は小学校の宿題の書初め。超ヘタクソなので、、書道師範代の資格を持っている母親に
 下書きしてもらい、その上からなぞって提出していました。今となってはいい思い出ですw)


今年の目標はズバリ、




継続




です。

自分の中では昨年はいろいろなことを「始める」ことができた年、と感じています。
今年はそれらをつづけて習慣化し、土台を固める年にしていきたいなと。


以下意識しているものをみっつほど(ジャンルはかなりバラバラですが。。)挙げます。


◆ランニング
  昨年皇居ランデビューしたのをきっかけに、週一回土日の午前中どちらかに走る、
  というのを始めました。いまは1回5キロ程度、30分を切るのが精一杯です。。
   目的は「脂肪燃焼」なので、どうやったら効率的に燃やせるか、研究してみます。
   いつか東京マラソンを走ってみたいと思い、応募し続けて早6年(くらい)、いまだ
   まったく当選しないのですが、、来たるその時に向けて、超着々と準備を進めていきます。


◆弁当づくり(週末クッキング)
  自分でも意外なのですが、お弁当男子デビューしましたw 元々毎日作るのは
  とても無理!と思っていたのですが、きっかけは妻が「やせるおかず 作りおき」をテレビで
  見て教えてくれたことです。超簡単レシピで、しかもやせられる(らしい)。これはいいね!と
  お互い合意し、それでまず週末に妻と一緒に、料理を翌週分イッキに作ることを始めました。
   それを転用すれば毎朝おかずは詰めるだけ、後はご飯を炊けば弁当ができてしまう。
  こうして今まで寄りつかなかった会社の休憩スペースに、足しげく通うようになりましたw
  ビルの清掃のおばちゃんに「自分で作ってくるなんて偉いわね」と褒められるのを励みに、
   今年もできるだけ頑張っていきたいなと思います。(もちろんたまには外食したいので、
  ランチお誘いいただける方は、事前にお気軽にお声がけください!!:各位)


◆ソーシャルシフト・ラボ
   こちらで書いた通り、昨年9月から一般社団法人ソーシャルシフト・ラボの活動を始めました。
 その中でも書きましたが、昨年12月にはじめてのオープンな取り組みとなるイベントが、
 大手町の『3×3LAB Future』にて開催されました。レポートがこちらにアップされていますので、
 よろしければどうぞ。
   今年はこういった活動がどんどん増えていくので、また随時ご報告していきます!

  自分としては、以前掲げた「ここでの活動を通じて得た経験を本業の方にフィードバックし、
  自分の中で良い循環を産み出していけるよう、考えながら、学びながら走っていく」を
  常に意識しながらやっていきたいと思います!


私の小学校の先生が教えてくれた言葉の中で一番心に残っているのが、
「継続は力なり」です。

続けていく中で、今まで見えていなかったものが見えてくる、そしてそれが次の
新しい何かを始めることにつながっていく。

その時分からなかった言葉の意味を、自分の中にきちんと落とすことができれば、
振り返った時にきっと素敵な年だったと思えるんじゃないか。そんな気がします。



とにかく、今年も最高に楽しんでいきます!














2017年1月21日土曜日

えんとつ町のプペルにマーケティングを学んだ。

これから、マーケティングの話を書きます。


今までの職歴でいくと、僕は新卒から12年ちょっと、いわゆる
「総合広告代理店」とか、「エージェンシー」と呼ばれるいくつかの会社に
勤めてきました。そして今は、主にクルマ系のデジタル領域を扱う会社に
在籍しており、所属部署名には「マーケティング」という言葉も入っています。

だから何だ、という話ですが、、今まで比較的身近に接してきた「マーケティング」の
概念を覆すような出来事が起こったので、自分の中での整理も込めて
書いてみたくなった次第です。もしご興味があれば、少しお付き合いください。


「キングコング」というお笑いコンビの芸人として有名になり、今は絵本作家としても
活動している西野あきひろさんが、3日前にとんでもないことをやらかしました。
3ヶ月前に発売し、今まで23万部超を売り上げている自身の作品、
『えんとつ町のプペル』 全編を、何とネット上で無料公開したのです。


以下、無料公開に際して西野さんが書いたブログ「お金の奴隷解放宣言。」の抜粋です。


はたして全てのモノが『お金』を介さないといけないのでしょうか?
SNSで誰とでも繋がれるようになり、『国民総お隣さん時代』となりました。
ならば、お金など介さずとも、昔の田舎の集落のように、物々交換や
信用交換で回るモノがあってもおかしくないんじゃないか。
「ありがとう」という《恩》で回る人生があってもいいのではないか。

もしかすると、『本』には、その可能性があるのではないか?


その結果は、すぐに出ました。

以下、翌日更新された西野さんのブログです。


『えんとつ町のプペル』を無料公開したらAmazonランキングが1位になった。


僕は今まで西野さんの作品を読んだことはありませんでしたし、たびたび
メディアで取り上げられている様子を見ている限りだと、いわゆる「炎上狙い」で
アンチの人たちをわざと煽るようなことを書いている印象があり、
ひと言でいうとあまり良い感情を持っていませんでした。


でもこの一連の出来事を通じて、今までの印象が一気に変わりました。

西野さんは間違いなく先見の明を持った
超優秀なマーケッター なんだと。


今回西野さんが採った手法は、マーケティング用語で言うと
「フリーミアム」 という言葉が一番しっくりくると感じました。
まったく新しいやり方、という訳ではなく、実はかなり昔から使われています。

ビジネス書大賞2012の候補にもノミネートされた名著、
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』 という本があります。

1965年に結成されたアメリカのロックバンド、グレイトフル・デッドは、
録音禁止が当たり前のライブ会場で、観客の録音を奨励するどころか、
なるべく高い音質で録音できるよう、専用の場所を用意していたという
くだりがこの本の中で紹介されています。

このケースでいうと、グレイトフル・デッドはライブに来てくれたファンに「音源」を
無料で提供し、持ち帰って家で聞いてもらうことでエンゲージメントを深め、
再びライブという「体験」にお金を払ってもらう、というサイクルを生み出しています。


今回西野さんは、


「作品の文章と画像という情報」を無料で提供した結果、
「絵本という物質」にお金を払ってもらうことに成功した。


と言えます。


西野さんは最新のブログで、


無料公開することによって、より多くの人に届くし、買わない人も増えるだろうけれど、
買ってくれる人も増えると思ったので。
そして、計上されるのは、買ってくれる人の数だ。クリエイターの生活を支えるのは、
買ってくれる人の数だ。知られないと買われない。

今回、絵本の情報を無料公開したことによって、Amazonや楽天の書籍総合ランキングが
1位になり、本屋さんでもたくさん買っていただいたそうだ。僕は、それが嬉しい。

当初から掲げている『えんとつ町のプペルを100万部売る!』という目標は、今も捨てていない。
ただ、無料で見たい人は、もう、お金なんて要らないからインターネットで無料で見ればいい、
と思っている。

と記しています。

西野さんは「この本を100万部売る」という目標を掲げ、それを達成するためにどうすれば
いいか熟慮した結果、まだ勢いのあるこのタイミングで無料公開に踏み切ったのです。

踏み切れた背景には、西野さんの行動を批判した人に対して宛てた以下文章

情報の無料化の波は、あなたには止められない。
もちろん僕にも、地球上の全クリエイターにも止めることはできない。

この感覚があったからだと思います。

一方でいくら感覚があったからといって、それだけで踏み切れるような簡単な決断では
まったくなかったと思います。特に日本では、漫画『ブラックジャックによろしく』が完結から
かなり経ってから著作権フリーにしたことで話題になった事例はありますが、まだまだ
売れているタイミング(『えんとつ町のプペル』は無料公開前もAmazonの絵本ランキングでは
1位だった)に全編を無料公開した本の存在を他に聞いたことがありません。また西野さん
自身がブログで紹介しているように、「クリエイターにお金が入らなくなる」「作品の価値を
下げる」といった世間の批判とも闘わなければなりません。


自分の皮膚感覚を信じ、批判を受けるのを覚悟の上で
果敢に前例のないチャレンジを行い、結果を出した。

これが、僕が西野さんのことを超優秀なマーケッターだと思った理由です。


僕は「三方良し(売り手よし・買い手よし・世間よし)」という言葉が大好きなのですが、
この西野さんの行動は、結果として

売り手:西野さん(作品がAmazon・楽天全書籍ランキング1位になった)
買い手:お客さん(無料【Web】でも有料【絵本】でも、好きなように作品を楽しむことができる)
世間:すべての「ネットユーザー」(無料で読めた感謝を、「シェア」という形で表現する)
    ※西野さんは自身のFacebookアカウントで、シェアに対する御礼を何度も投稿している。

理想的な三方よしの循環を生み出しています。

この三方良しができた最初のきっかけは、紛れもなく『ヒット作の全編無料公開』です。
西野さんはこの行動を指して自身のブログで「恩で回す」と表現していますが、同義で
恩送り」(英語だとペイフォワード)と言い換えることもできます。


まとめ:「情報無料化」の大波に逆らわず、まず恩を送る。





ここまで長文にお付き合い頂き、ありがとうございます。
今回本ブログの題材にさせてもらった西野あきひろさんの作品、
『えんとつ町のプペル』全編無料公開ページはこちらです。


2017年1月15日日曜日

いちサラリーマンの視点で、『再起動(リブート)』を考えてみる。

もう一月も半ばに差しかかろうとしていますが...
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。


さっそくですが新年一発目の読書、皆さまはどんな本を読みましたか?

僕は数多くなってきた積読本の中から...『再起動(リブート)』を読みました。
著者は、昨年12月に本ブログでも紹介した、私が所属している
一般社団法人ソーシャルシフト・ラボの代表理事 斉藤徹さんです。


この本のリードに『波乱万丈のベンチャー経営を描き尽くした真実の物語』と
ありますが、その言葉では足りないぐらい、読んでいて思わず目を背けたく
なるほどの辛い状況に何度も置かれながら、その都度「再起動」してきた
斉藤さん自身のリアルな起業家人生が、これ以上ないのではという位
懇切丁寧に描かれています。

この本を読んでまず感じたのが、


ここまで深く人の「過ち」を知る機会が今まであっただろうか


ということです。

自叙伝、それに近い位置付けの本は世の中に数多く出ていますが、それらの本と
この本の決定的な違いは、「成功したことだけにフォーカスするのではなく、むしろ過去に
犯した自分の過ち、失敗の方をメインに取り上げ、それらと真摯に真正面から向き合い、
とことん反芻している。そしてその過程・結果が包み隠さずしたためられている」
ところだと思います。偉人の輝かしい成功談を読んで、「すごいけど、到底自分には
真似できないよな」と思ったことが僕は何度もありますが、この本に出てくる「壮大で
崇高な失敗談」を目の当たりにすると、どうしても過去の自分と重ね合わせてしまいます。


本文の中に、

僕はこれまでの経験から、自分自身の心の弱さを客観的に理解していた。今、目の前にある
現実に集中し、自分が影響を与えられる範囲で、自らがすべきことを決める。あとは何も
考えずに実行あるのみだ。昨日の後悔も、明日への恐れも頭から排除する。目の前の現実しか
見ないマシンになりきるのだ。それができなければ、この苦境は乗り越えられない。
自らの考え方をコントロールできるのは自分自身だけだ。修羅場における心の持ち方は、
すでに僕の細胞の隅々にまで深く浸透していた。

といった文章が出てきます。事の大小・状況の違いは(かなり)あれど、僕もちょうど1年前くらいに
仕事でかなり困難な状況に直面した時に、似たような心境になったことを思い出しました。

特に、

「自らの考え方をコントロールできるのは自分自身だけだ」

という言葉に深く共感します。
起こってしまったことをどう捉えるか、そこからどのように「再起動」するかを決めるのは
自分自身なんだと。僕もたいがい「心が弱い」という自覚症状があるのですが、、
だからこそ「そのモードに入っている」と気づいた時に、自分自身で

「あえてポジティブに捉え直す」

という作業をよく意識的にしています。こうなる時はたいがい自分のふるまい・言動が
「人にどう思われているか」不安で心配になる、といったケースが多いのですが、
何だかんだあってもその真偽が確かめられないことの方が圧倒的に多いので、だったら
ポジティブに捉えておいた方が得じゃん、という。はい。超楽観的思考です!笑


さて、そんなこんなでタイトルからかなり脱線してきました。。

大手企業を飛び出してベンチャーの世界に飛び込んだ斉藤さんの著書なので、
この本の主題はもちろん「起業」です。
一方で僕は、社会人生活まもなく17年間(いろいろ先は変わっていますが。。)
企業勤め一筋、根っからのサラリーマン。

バブル崩壊、銀行の貸しはがし、自宅が競売にかけられる、経営者追放...
よく耳にしてきたこういった言葉は聞き覚えはあれど、いざ自分ゴトとしてどう
捉えるか、となるとあまりにも世界が違い過ぎて、ビジネス本としては参考に
ならないんじゃないか、とお思いになる方もいるかもしれません。


この本を読んで僕の中で起こった一番大きな変化は、

経営者の視点で、いちサラリーマンの自分を見つめ直そう

と思うようになったことです。

自分が目の前のプロジェクトに忙殺され、クライアントから無理難題を言われて上司に
相談する時間もない中、まず何をどう進めていけばいいのかと途方に暮れている時に、
社長をはじめ役員や幹部の人たちは、会社のこと、仕事に従事している社員のことを
最優先に考え、取引先との交渉や資金繰りに自分の身を削って取り組んでいる。
その果実として得たお金を、給料として僕たち社員が頂いているんだ。

ということは、こうして書くまでもなくごく当たり前の事実なのですが、自分の中では
正直ここのところちょっと意識が薄くなっていたな、とハッとさせられたことのひとつでした。

この本の中で著者は、順調に推移していた事業がバブル崩壊で窮地に立たされ、
さらに「雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」銀行から貸しはがしに遭う、
といった泣きっ面に蜂の危機に度々遭遇しています。
そこから「再起動」できた裏では、常に各専門領域に長けたプロフェッショナルな
ブレーンの面々が支えていた、という主旨のことを語っています。
僕もサラリーマンである以上、こういった経営者に信頼してもらえる優秀なブレーンに
なることを目標にしていかなければならない、その想いを新たにしました。


それを実現に少しでも近づけていくための策として、

「小さなリブート」を繰り返す。

これを今年の僕の仕事上の抱負として掲げます。

日常の業務の中で立ち止まり、悩んでしまうケースがありますが、
その立ち止まる時間をできるだけ短くし、次のアクションに移していく。
もし間違っていると感じた時には軌道修正のうえ、すぐにリブートする。
いわば、自分の中でPDCAサイクルを超高速で回していく、
そんなイメージを持ってやっていきたいと思います。

『再起動(リブート)』は、紛れもなく『事実は小説より奇なり』を地でいく本です。
なので、読んだ人ごとに違う視点での感想を抱くはず。ぜひいろんな方と
感想を語り合いたいので、読まれた方は教えてください!
(↑の写真を見ると分かりますが、かなりたくさんの付箋を使いました。
 その内容のごくごく一部しか書けていないのです...)